障害年金と障害者手帳 ― 手帳がないと障害年金はもらえない?
障害年金の相談で、本当によく聞かれる質問があります。
「障害者手帳を持っていないのですが、障害年金は申請できますか?」
答えは、「はい、申請できます」です。
実は、障害年金と障害者手帳はまったく別の制度です。
そのため、障害者手帳を持っていないからといって、障害年金を受給できないわけではありません。
障害年金と障害者手帳は別の制度
「障害」という同じ言葉が使われているため、混同されやすいのですが、障害年金と障害者手帳では目的や認定基準が異なります。
障害年金は、病気やけがによって日常生活や仕事に一定の制限が生じている場合に、所得を支える役割を持つ公的年金制度です。
一方、障害者手帳は、障害の種類や程度に応じて交付され、さまざまな福祉サービスや支援につながるための制度です。
つまり、
「障害者手帳を持っている=障害年金がもらえる」
でもなければ、
「障害者手帳がない=障害年金がもらえない」
でもありません。
手帳の等級と年金の等級も同じではありません
もう一つ多い誤解が、
「精神障害者保健福祉手帳が2級だから、障害年金も2級ですよね?」
というものです。
これも、必ずしもそうではありません。
例えば障害年金では、病名だけではなく、食事、着替え、買い物、金銭管理、通院、対人関係など、日常生活にどの程度支援が必要なのかといった実態が重要になります。
就労している場合も、
「働いているか、いないか」だけではなく、
どのような仕事をしているのか、勤務時間はどの程度なのか、職場からどのような配慮を受けているのか、といった事情も含めて判断されます。
「手帳がないから」と諦めないでください
実際の相談では、
「手帳を持っていないので、自分は対象外だと思っていました」
という方が少なくありません。
しかし、その思い込みによって、本来検討できたはずの障害年金を何年も請求していなかったとしたら、とても残念なことです。
大切なのは手帳の有無ではなく、現在の病気や障害によって、日常生活や仕事にどのような支障が生じているのかということです。
障害年金と障害者手帳。
名前は似ていますが、別々の制度です。
「手帳がないから無理だろう」
「手帳が3級だから年金は無理だろう」
と、ご自身だけで判断しないでください。
制度を正しく知ることが、利用できる支援につながる最初の一歩です。


